高校の成績証明書は、卒業後5年を過ぎたら破棄されるので要注意!

平成6年度「学校教育法施行規則」改定

案外知られていないことだと思いますが、平成6年度「学校教育法施行規則」が改定されました。
その改定により、日本国内の高校における“指導に関する記録”の保管期間が、20年から5年に変更になりました。

ちょっと分かりにくいかもしれませんね。
簡単にいうと、
平成6年度以降に入学した人の成績証明書は、卒業後5年で破棄されてしまいます。(卒業証明書は出ます)

とても大切なことですので、もう一度おさらいします。
高校の成績証明書は、卒業から5年経過すると、この世から消えてしまうんです!!

3年間の自分の学びを証明することはできなくなってしまいます。
ちなみに、平成5年度以前に入学した人の成績証明書は、卒業後20年間保管されています。(それ以降は破棄)

私はドイツで大学に通いたいと思ったことがあり、必要書類としてあった高校の成績証明書を取り寄せました。
成績証明書の代わりに届いた書類には、下記の2文のみ書いてありました。

To whom it may concern,
According to Article 28 of the Enforcement Regulations for the School Education Law,
schools are under no obligation to issue academic transcripts to students who have
completed the course 20 years or more ago.
Please excuse us for the inconvenience that this may have cause.

『学校教育法施行規則第28条により、学校には、20年以上前に卒業した生徒の成績証明書を発行する義務はありません。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。』

破棄する理由としては、「プライバシー保護の観点や利用の実態などを考慮し、5年間に短縮」と、文部科学省のホームページに記載がありました。

IT化が進み、データとして、より多くの成績を保管することが可能になったご時世。
破棄されてしまったことに、とても落胆してしまいました。

それと同時に、成績証明書を提出する側によりも、私に対しての謝罪はないのかなと、大きな疑問が頭をよぎりました。
私の高校3年間の成績を、公式に証明するものは何ひとつ残っていないのですから。


海外留学での重要書類「成績証明書」

私立を含め、成績証明書を保管している高校も存在します。
しかしながら、公立高校では、破棄されるケースが多いと思います。
大学進学の際、高校成績証明書の有効期限を設けている場合もあるのが現状です。

ただ、有効期限が過ぎているからといって、成績の価値が下がるわけではありません。
いくら古くても、破棄されてしまって、成績が証明できないよりは救いになるでしょう。

ここドイツでは、大学進学時だけでなく、就職の際にも、高校の卒業証明書および成績証明書、大学の卒業証明書および成績証明書が必要になる場合もあります。
語学などの能力を証明するのにも、書類上できちんと提出できないものは、認めてもらえません。

公的機関での「認証コピー」が必要なケースもありますが、オリジナルが用意できない状態では手の打ちようがありません。


政府が推進する「リカレント教育」

人生100年時代と呼ばれるようになった昨今。
社会人の間でも、実際に「リカレント教育」への関心が高まっています

文部科学省によると、

「リカレント教育」とは、「学校教育」を、人々の生涯にわたって、分散させようとする理念であり、その本来の意味は、「職業上必要な知識・技術」を修得するために、フルタイムの就学と、フルタイムの就職を繰り返すことである(日本では、長期雇用の慣行から、本来の意味での「リカレント教育」が行われることはまれ)。我が国では、一般的に、「リカレント教育」を諸外国より広くとらえ、働きながら学ぶ場合、心の豊かさや生きがいのために学ぶ場合、学校以外の場で学ぶ場合もこれに含めている(この意味では成人の学習活動の全体に近い)。なお、「リフレッシュ教育」は、「リカレント教育」のうち、

1) 職業人を対象とした、
2) 職業志向の教育で、
3) 高等教育機関で実施されるもの

であり、むしろ諸外国での「リカレント教育」に近い概念である。(出典:文部科学省ホームページ)

私のように、高校時代、まさか自分が海外に住むことになるなんて想像もしていなかった人がいるはずです。
子育てが落ち着いてから、大学に通いたいと思う人だっているでしょう。
何年か社会経験を積んでから、海外の大学で学び直したいと考える人もいると思います。

そんな人たちはどうすればいいのでしょうか?

もちろん手段はあります。
もう一度、海外で再度高校での単位を取得するために、学び直すことが可能です。

しかし、3年という月日を経て、日本の高校で学習してきたことが、まったくもって認められないことが残念でしょうがありません。

「リカレント教育」を謳う反面、成績証明書破棄の法律に改定される、矛盾を感じざるを得ない状況だと思いませんか?


「成績証明書」は、あなたが歩んできた人生の一部

証明書を発行してもらうと、「厳封」となっていて、絶対に開けてはいけないという場合が多々あります。
そうなんです、私たち日本人は普段、自分の「成績証明書」を見る機会は与えられていません。

日本では、「成績証明書」は、学校に属しているという考え方があるからでしょうか。

でも、よく考えてみてください。
本当に「成績証明書」は、学校にのみ属するものなのでしょうか?
愛する母校は、自分の成績証明書を5年間保管したあと、何事もなかったかのように破棄してしまうんですよ。

成績証明書は、個々が歩んできた人生の一部ではありませんか?
他人だけが所有するべきものなのでしょうか?
こうなったら、自分の形跡は、自分自身で守っていくしかないのかもしれません。

今現在、海外に興味がなくても、将来どうなるかなんてわかりません。
私がとっても良い例です。

まずは危機感を持ってください!成績証明書はあなたの生きてきた証のひとつです!


破棄される前に、日本語と英語で1部ずつ取り寄せておく

証明書を申請する際に、申請書を記入する必要があります。
申請理由が、はっきりとしていないと発行されない場合もでてきます。

日本語の証明書は、「就職のため」、英語の証明書は、「海外の大学を受験するため」と依頼するといいでしょう。

破棄されてしまってからでは、手遅れです。
どう足掻いても、永遠に戻ってくることはありません
そう、永遠にです…

成績証明書なんて何の参考にもならないから必要ないと思っている方。
それは日本に限ってのことです。

海外において、「高等学校に通っていましたが、自分の成績を証明することはできません」は通用しませんからね。
高校を卒業したという結果だけでなく、どのように就学してきたかが求められるからです。

ご自身の場合でも、またはお子さまのためにでも、卒業後は破棄される前に、日本語と英語の成績証明書を取り寄せておいてください!



まずはオンラインで 「イングリッシュブートキャンプ」英会話を体験してみませんか?
短期集中10時間のオンライン英会話レッスンは、生徒1人に対して講師2人という贅沢なレッスン。
5000名以上が英語を喋れるを強く実感してきた短期集中プログラムはこちらから。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です