特にヨーロッパに語学留学する場合、必ず必要になってくる「CEFR」という語学レベル基準。
最近日本でも使用されることが増えてきましたが、まだ馴染みのない言葉ですよね。
早速「CEFR」とは、どういうものなのかをみていきましょう!
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは
CEFRについて
アメリカを中心に英語教育が広げられている日本では、英語のレベルを測定する方法といえば、「TOEIC」や「TOEFL」などが先に思い浮かぶはずです。
しかしここヨーロッパでは、話されている言語は英語だけではありません。
英語をはじめ、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語など、現在EU内で公用語とされている言語は24言語。
その他にも、スペインではカタラン語、ヴァレンシア語、ガリシア語、バスク語、UK内ではウェールズ語、スコットランド・ゲール語、スコッツ語、アイルランド・ゲール語、ウェールズ語などの地方言語も存在します。
多くの言語を持つ国の集まりヨーロッパ内で、人々がコミュニケーションを取るためには、母語以外の言語を習得する必要性ができてます。
それゆえ、ヨーロッパでの外国語の教育は盛んで、2ヶ国語、3ヶ国語、それ以上の言語を巧みに操ることは、なんら特別なことではないのです。
仕事をするうえでも、生活をするうえでも、相互理解をより深めるためには、母語以外の言語習得が欠かせないものとなっています。
そこで、どの言語を、どのくらいマスターしているのかがひと目で判断できるガイドラインが求められるようになりました。
多言語が交わるヨーロッパ諸国において、それぞれの言語を共通の基準方法で測れるようにしたものが、「Common European Framework of Reference(略してCEFR)」なのです。
CEFR… シーイーエフアール??
読み方はセファー、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と呼ばれています。
CEFRのレベル分け
「英検」のレベルは合否によって判定されますし、「TOEIC」や「TOEFL」は結果が点数(スコア)ででてきます。
CEFRは、Council of Europe(欧州評議会)によって、‘can-do’ descriptorsをもとに、そのレベルでなにができるのかに焦点があてられ、6段階レベルに定められています。
A1(BASIC USER/基礎段階の言語使用者)
具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。
もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。A2(BASIC USER/基礎段階の言語使用者)
ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。
簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。B1(INDEPENDENT USER/自立した言語使用者)
仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。
その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。
身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。B2(INDEPENDENT USER/自立した言語使用者)
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。
母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。C1(PROFICIENT USER/熟達した言語使用者)
いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。
言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。
複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。C2(PROFICIENT USER/熟達した言語使用者)
聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。
いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。
自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。
(出典:ブリティッシュ・カウンシル/Council of Europe)
C2というのは、ほぼネイティブレベルになりますので、このレベルを語学学校で学ぶ人は少なく、通常C1クラスまでしかない場合が多いです。
※ドイツの大学(大学、学部によっても異なる場合もあり)に入学希望の場合は、基本的にC1レベルが必要になってきます。
英語における他の試験との比較
CEFRが、言語能力を評価する国際標準規格、レベルが6つに分かれていることが理解できましたね。
しかし、自分がすでに持っている資格がCEFRレベルのどの位置にあるのか、判断が難しいかと思います。
下記は文部科学省による各資格・検定試験とCEFRとの対照表になります。
(出典:文部科学省)
例えば、英検2級を受験してCSEが1800であればA2、2100であればB1とCEFRレベルでも判定することが可能です。
まとめ
ヨーロッパでの留学、就職、永住ビザの申請時などに、語学レベルが問われます。
例えば英語はB2、ドイツ語はA2というように、自分の語学力がどの位置にあるのかを確認しておきましょう。
それと同時に、自分の希望する分野にて、求められているレベルがどのくらいなのかを、しっかりと事前に把握しておく必要もあります。
まずは、国際基準での自分の語学レベルをチェックすることから始めてみてください!